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『誰にでも秘密がある』 イ・ビョンホン チェ・ジウ

誰にでも秘密がある スタンダード・バージョン


誰にでも秘密がある スタンダード・バージョン

このタイトルと、3人の女性にかこまれたイ・ビョンホンさんのジャケと、パッケージに書かれた「プレーボーイ」の文字と。ちょっとばかし眉をひそめてしまうわけです。それで後まわしに。4年くらい前の映画でしょうか、日本でも公開されたようです(公式HP)。

1人の男性が、3人の女性を誘惑し、その誘惑の仕方や落とされまいとしての予防線の張り方など、でもけっきょく落とされてしまうのだろうと、みる前からなんとなく分かってしまうから。新鮮味を出しにくいだろうし。そんなことを考えながら、DVDをまわしてみました。

(あらすじ)女子大生のミヨン(キム・ヒョジン)はジャズバーでバイト中、一目惚れしたスヒョン(イ・ビョンホン)に積極的にアプローチし、付き合うようになる。さっそく家族に紹介するミヨン。ところが、彼女の目を盗んで、スヒョンはミヨンの姉、一児の母ジニョン(チュ・サンミ)と恋愛経験ゼロの大学院生ソニョン(チェ・ジウ)を言葉たくみにアプローチ。すっかりその気にさせてしまう…。(アマゾンから)


目を引いたのは、センスの良さでした。
この映画の魅力を簡潔に言えば、構成の巧みさ、センスの良さです。
なんだ大丈夫じゃないかと、すぐに安心しました(心配し過ぎ、笑)。

そのセンスの良さ。時間の扱いが巧みです。
3組もの恋愛を描き、しかも彼女たちは姉妹だから、それぞれどこかで絡まないと不自然だし、映画としても絡ませない手はない。ところがこれをやるには時間の処理が大変で、A、B、C、の3組の恋愛を絡ませるために同時に見せなくちゃいけない。映画は前から後ろにしか進めることができないし。この処理の仕方がセンス良かった。

どうやっているかというと、A組が、123、と続けば、B組が、イロハ、となり、C組が、abc、となる。このそれぞれの、どこかの部分で画を合わせる。A組3と、B組イを合わせる。つまりA組3とB組イは同じ画になる。しかし観ている人は、B組イから観るのではなく、B組ハから観てる、ってこの説明では伝わらないと思う(笑)。観た人は分かってくれると思うけど。

時間を戻していますね。戻して、AとBが接触する(絡む)画を、主軸の現在進行形の前か後に持ってきています。こうすることで、ひとつ1つの話に新鮮味が生まれ、驚きを作れます。
それから、立体的です。ABC組を別方向から構築していくから、1つの話が多面的となり、話を増やす毎にそれが重なって、観終わってみれば、頭のなかで立体的なストーリーとして残っています。それぞれのカップルの事情が立体的に絡み合いながら主軸のセンに沿って語られているわけです。

この方法は面白いと思いました。その気になればどこまでも何重底にもして複雑にできそうです(私的にメモ、笑)。
フツーはカットバックを使うでしょう。3人の女性を絡めないなら、そのまま。絡めてドンパチやるなら、どこかで痕跡を残して主軸に持ってこなくちゃいけない。
ただし、フツーのカットバックを使うと、3人の女性と関係したことがバレてしまうのかどうなのか、そこに注目が集まってしまい、ただのサスペンスになってしまう可能性、大です。
この映画はそういう映画ではないと思う。バレてしまうのかどうなのか、ということよりも、それぞれの事情を描きたいのだと思う。文字どおり、誰にでも秘密があり、性的に乱れてました、ではなくて、その先です、彼女たちの心の渇きとか届かない望みとか、名づけようもない、ぼんやりとした不安だとか、そういったものを表現したかったのだと思います。それらに湿布して汚れや渇きを舐めとるみたいにして、イ・ビョンホンさんが縦横動きまわり、癒してくれる。彼女たちに道をつけてくれます。見事なプレーボーイぶりは見ものだけど、私はむしろ思慮深い無償の愛みたいな? そういう所が良かったと思いました。女を虜にして自分に依存させ、何かを企むというふうなプレーボーイではなく、彼女たちがそれぞれに自分で生きていけるための手助けをしたプレーボーイでした。

こういった感じ、トーンを作るために、フツーのカットバックを使わずに、時間を戻すという方法が活きています。おとぎ話のような優しいトーンの中に3組の恋愛を流し込んだといったふうです。

↑に長々と書いたのはぜんぶ構成と編集の話ですけど。記事としてカンタンに書いてますが。センスが必要です。ヘタだと戻してゴテゴテになること必至。どの画をどのくらいの分量で持ってくるのか。戻してどう繋げるのか。センスが問われます。そこが、とくに良かったです。ということは全体的に良かったのです。これを重くしないで軽やかに描いていますね。よく見ると結構重いけど。それぞれの事情はやっぱり重い。でも重く感じない。表面的には軽やかに作っている映画で、よく見ると切実な事情を抱えていて重いかもしれないと。または、こうも言えるかも。切実に考えれば人生重くなってしまうけど、この映画の女性たちはプレーボーイを介し、軽やかに(踊るように)超えて行きました。

この構成が活きたのは、もちろん俳優さんたちの演技力があってこそ。やや、チェ・ジウさんは苦しかったけど。でも彼女はこの世のものとは思えないくらいに美しい方なので(顔カタチのことじゃなくてオーラとかそういう話です)、許してしまう(汗)。彼女自身の魅力のお陰でそれほど嫌な気もせずに見ることができました。三女のミヨン役のキム・ヒョジンさんは、はじめて見たのは韓国ドラマ『マジック』で、この時は、プレーボーイ、カン・ドンウォンさんに翻弄される女性役でしたけど、いまどきの女子大生みたいな感じとシンの強さの両方があって、わりと好きな女優さんです。長女のジニョン役は、チュ・サンミさんでしたが、この構成でもっともハマった姉妹の演技をしたのは彼女だったと思います。調べてみると、映画『気まぐれな唇』にも出ていたようです。これチェックして後で見たいです。そしてイ・ビョンホンさんです。肩の力の抜けたプライベートなビョンホンさんに? ひょっとして近いのかしら、などと思いながら見ましたけど、すごく自然に淡々と演じています。低い声が柔らかく、ド~ンと入ってきます。長女と関係する場面など面食らったふうで、おかしかった(笑)。プレーボーイで、次々と女を口説いていけば、腰が浮いて目線が泳ぎ、場合によっては残酷だなぁ、と思うかもしれない。ところがこの映画では、それほどでもない。思慮深い無償の愛みたいなものがベースになっていて、まるで母のように(※1)3姉妹を愛していたから、貪らない愛が良かったのかもしれない。

ただ最後のオチは要らないと感じたけど…。
分かりやすくはなったけど、せっかくセンスよく画を繋いでいったのに、最後のオチで、ホームドラマになってしまったのが残念です。
イ・ビョンホンさんが、どこからやってきて、ほんとうに実在していたのか、そういう謎めいた感じで終わってくれると、もっと良かったかも。

(※1)この3姉妹には母がいます。父は他界しています。なのに、イ・ビョンホンさんの母のような愛で救われます。ビョンホンさんを遣わしたのは父でした。この3姉妹のご家庭では父が母のような愛を与えていたのでしょうか。それとも…? 
現代的でリアルなシチュエーションですね。3姉妹はビョンホンさんの「実体」と交わることによって、ようやく自分の「実体」を掴みます。同じ人と交わることによって。プレーボーイだけど、そこは、さらに、深読みできそうです。

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comment

namomo|
kairouさん こんにちは!
おーーーっ!『誰にでも秘密がある』を御覧になったのですね。私が言うのも何ですが、ありがとうございます!
私はビョン友とは『誰ひみ』と言っていますので、題名は以下略して書きますね。

  この映画、なかなかセンス良いですよねー。ただ真面目に考えてしまうと「なにこれっ!」と、ファンでも拒否感が出てしまう可能性もあるようです。
ビョンホンの出演作には珍しいタイプなのですね。深く考えずに、軽く、頭柔らかく楽しむ映画だと思います。

 そうなんです。構成が生きていると私も思うのです。
三女の場合、次女の場合、長女の場合という具合に同じ時間の流れが2度戻ります。それを観ているうちに、三女とこんな事をしている時に、次女とこんな事を!とか、長女の心を揺さぶっていたりとか、新事実発見という感じで面白いです。
最初はただのプレーボーイかと思うのですが、だんだんスヒョンという男が人間離れしているのが分かってくるし…。どうやら普通の男ではないらしい…?!

 『誰ひみ』は新鮮な映画だと思います。
1人の男が三姉妹と…という内容から言えば、道徳的にどうかとおもうのですが、全くドロドロしていないし、いやらしくもない。
それはビョンホン演じるスヒョンが女をくどく物語ではなく、女の側の自分探しの物語だからでしょうね。kairouさんが仰るように、三姉妹はそれぞれ迷いや悩みを越えて新たな気持ちで自分の人生を歩んでいきます。
 最終的には三人の中にスヒョンという男の存在は残っているでしょうか?
いやぁー、消えてしまいます。
男の側にも感情や愛情、想いがあるでしょう。
ところがこのプレーボーイは彼女らの心の声を呼び覚ますだけでなく、総ては彼女らの主観と感情に沿った完璧な行動に終始します。普通の男では三人相手にこんな事は出来そうもないでしょうね。(笑)
「スヒョンの想いはどうなのよ?本当にこれで良いの?」と言ってやりたくもなりますが、彼が実態のない妖精みたいな存在だとしたら、ある意味納得出来ますね。そんな点が新鮮に思います。
妖精って少女のイメージだけど、これも有りかも…。

 そう思うと『誰ひみ』は登場人物のファッションやセットや映像がオシャレなだけでなく、内容もかなり洒落てますね。
 ところが道徳論を持ち出すと、この洒落た感じは全く味わえないでしょう。韓国では公開時に、内容的にいかがなものか?!的な批判もあったそうですよ。儒教的な感覚の方には、『誰ひみ』は、ちと早すぎたのかも知れませんね。(笑)

 三姉妹の中でも、私はとりわけ長女のエピソードが好きです。もし私だったら…と自分に置き換えやすい設定だったからだと思っていました。でもkairouさんも同じようにおもっていらっしゃったので、うれしいです。チュ・サンミさんの演技派は良かったですね。

 このスヒョンという役は、ビョンホンでなかったら誰が出来たでしょうか?
これこそこの時期のビョンホンだから嵌ったのであり、彼以外は想像も出来ません。
 スヒョンの軽やかさ、セクシーさ。そして純なのかプレーボーイなのか分からないところなんかも、上手く表現していると思います。
 
 ファンの中でも賛否両論の『誰ひみ』ですが、私はこの当時この映画に挑戦したビョンホンは流石だと思います。やって良かったですよー。
それに今よりちょっと若くて、良い男振りですもん。私はスヒョン大好きです。

 ラストは日本公開版と韓国公開版で2つのパターンがあります。三姉妹のお父さんが出てくるのは日本公開版です。
私は韓国公開版の方がいいと思います。ネタバレすると…。
 三姉妹とは別れてから…。
ドライブ中のスヒョンは偶然、1人の女性を見つけます。そして彼はじっと様子を見ているのです。彼女は美人でもなく平凡な感じで、付き合っていた男性に馬鹿にされて振られて泣いています。そしてスヒョンは遠くから優しく微笑む。そこで終わりなのです。
 でもスヒョンだったら、次はこの女性を癒し、彼女の心の再生の為に現れるのだな…。そんな予感のラストです。(たしかこんな感じだったと思います。)

 素のビョンホンはどうなのでしょうね?(^o^)
私は遠目で見たことはあるけれど、会ったことがないから、これも想像でしかないけれど…。ビョンホンってわりと昔気質の、結婚したら亭主関白になりそうな人…。そんな気がします。だとすると、結構この役を演じるのは難しかったかも?!
それに撮影中はビョンホンが「最後の恋人」とまで言い切った(彼としては絶対結婚すると思い込んだ)女性との別れ話も進行中だったの…。結局別れたし…。
 そんな精神的にもつらーい時期の映画だったから、スヒョクの軽やかさはまさに演技。私にはビョンホンのプロ意識の高さを感じる作品でもあります。うるうる(涙)

 長くなって済みません。

kairou|
namomo さん、こんばんは^^
今日は午前午後と用事があって出かけていまして、帰ったら郵便受けに宅急便の紙が入っていました。アマゾンで買ったビョンホンさんの歌、まだ聴けてません>< うむむ。明日、聴きます。

『誰ひみ』見ました、後まわしにしなくても、よかったですね。この映画好きです。アイドルみたいな俳優が演じた映画だと、以前紹介したネタ本には書いてありましたけど、そんなことないです、私はいいと思いました。

ただ、やはり、あのオチの付け方が台無しに、しているかも、とは思います。どうオチを付けるかによって、映画全体の印象が変わってしまいますよね。なので、あのネタ本の言うことも、そうハズれてはいないのだけれども…。

>ラストは日本公開版と韓国公開版で2つのパターンがあります。

なぬ!? そうでしたか。うーん、私的に考えるところアリです。
なぜ変えたのか裏事情は分からないですけど、namomo さんのご説明によれば(ありがとうございます!)、どう考えても韓国ヴァージョンの方が良いじゃないですか。namomo さんも、そうお考えということで。ですよね。うんうん(頷く)。

それで内容についてですけど…。

>ただ真面目に考えてしまうと「なにこれっ!」と、ファンでも拒否感が出てしまう可能性もあるようです。

あー、なんか分かるような気がします。
この映画だけじゃなくて、検索して、いろんなご意見を拾っていきますが、必ず出てきますね、倫理的にどうかっていう問題を云々するご意見が。
あと、これは仕方がないことかも知れないけれど、王子様で在り続けて欲しいみたいな? これなんて気持ちがスゴク分かるだけに、同意したい気持ちだけど、でもそれを俳優さんに押し付けてしまうと、演じる幅が狭くなって、つまらない俳優さんになってしまうので、なんというかそこは「ただの映画好き」になって観た方がいいような…、とは思うけど、そうもいかない!? 笑。

>ビョンホンの出演作には珍しいタイプなのですね。深く考えずに、軽く、頭柔らかく楽しむ映画だと思います。

うんうん(頷く)。

>最初はただのプレーボーイかと思うのですが、だんだんスヒョンという男が人間離れしているのが分かってくるし…。どうやら普通の男ではないらしい…?!

そうそう、ここで、ドキッとしました。いい意味で期待を裏切ってくれました。

>最終的には三人の中にスヒョンという男の存在は残っているでしょうか?
いやぁー、消えてしまいます。
男の側にも感情や愛情、想いがあるでしょう。
ところがこのプレーボーイは彼女らの心の声を呼び覚ますだけでなく、総ては彼女らの主観と感情に沿った完璧な行動に終始します。普通の男では三人相手にこんな事は出来そうもないでしょうね。(笑)

いいツッコミですね^^
そうなんです。この映画もっと奥が深いかもしれないですヨ。
表面的には軽く作っています。だけど丁寧に見ていけば、namomo さんのようなツッコミも。
つまり、消えてしまう、なんてことは、ありえないし、三人相手にこんな事は、フツーは出来ないハズなのに、消えてしまうし、出来てしまうのです。そこで!←チカラ入ってます、笑。

>彼が実態のない妖精みたいな存在だとしたら、ある意味納得出来ますね。そんな点が新鮮に思います。

妖精って言葉に深く同意します。

自分のことで精一杯、本音じゃ他人の痛みはどうでもいい、愛していると言いながら愛は出し惜しみ、心も開けない、そんな世の中ですよぉ。私もその内の1人なので偉そうなことは言えませんけども。
この映画を見たとき思い出したのは、自己犠牲とか奉仕とか、一瞬だけ真に輝く愛だとか、そういう言葉でした。表面的には軽く作っている映画なので、こんなこと書くと、これを見ている他の誰かに大げさだと揶揄されそうですが、ここは大事なのでもう少し書かせてください。
たとえば、この3姉妹と似た状況を、まさに経験している最中の人が見たとしたなら、きっと癒されて映画館を出ているだろうと想像します。穴ぼこをビョンホンさんに埋めてもらったかもしれません。分かりやすい映画の場合はセリフで歯の浮くような、癒してあげますよ的な、狙った感じになりますが、で、その狙いどおりに「癒されました」とか言う人もいるかもですが、
なんだか分からないけど、説明できないけど、なんかいいよね、気持ちがちょっと軽くなったね、みたいな。この映画のことを思い出しもしないで(忘れてます)、人をそんなふうに癒してあげるのが、じつは効果アリです。あーうまく言えない、笑。

ともかく結論だけ言ってしまうと、この映画、いいですよ。
どうしてこの設定にしたのか私なりに考えたけど、説明すると長くなるので端折りますが、この設定が最も効果的だと思います。効果的というのは見る人の側に立って考えてみればという話ですけど。ただ何度も言いますが、あのオチでは台無しです。なんて勿体無いことを、涙。

>純なのかプレーボーイなのか分からないところなんかも、上手く表現していると思います。

ちょっと可笑しくて。それがキュートでもうワンクッション入っているのですよ。上手ですね~。微妙なニュアンスを、うまく表現されていると思いました。

>素のビョンホンはどうなのでしょうね?(^o^)

思わず想像してしまいますよね(含み、笑)。
それと「最後の恋人」ですが、そうだったのですか…。
うーん。

泣きたいときでも笑ってみせて。
プロだから当たり前なんて他人事では言えたとしても、本人は辛いですよぉ、生きてるから、傷つきもします。落ち込む時もあるだろうし…。大変な仕事ですよね。



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それで聴いてみたけど、
曲、歌詞、声、ダンス、スタイル、映像…、ピタッ、とハマってますね。
「東方神起だ」と感じられて良かったです。こうでなくちゃ!
おそらく企画の段階での練り具合が違うんじゃないかなぁ。
「よく知っている」という感じで、ぐいぐいと引っ張って行きます。
日本式は、お客と正面から向き合ってしまうけど、お客に半身預けながら、もう半身は、先を見てるというのが韓国式で、いいと思います。オブラートに包んでますが、笑。

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