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パク・ヨンハ『オンエアー』3/3 メンツと金だけの世界

テレビ業界を舞台に、監督、脚本家、俳優、マネージャーらの駆け引きが絡み合う実態をリアルに描いた作品。/2008年韓国SBS/脚本キム・ウンスク/演出シン・ウチョル 「オンエアー」公式サイト


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言いたいことが堰を切って「もう止まらない」といったふうな勢いで、脚本家のキム・ウンスクさんは業界舞台裏を書かれたようす。1話から最終話までの長いスパンでは大まかな構成はとっているけれど、1話ずつで見れば勢い任せでズン胴に見えなくもないです。とくに前半、新ドラマで何をやるかが決定する前、有名女優オ・スンア(キム・ハヌル)、人気脚本家ソ・ヨンウン(ソン・ユナ)、新人監督イ・ギョンミン(パク・ヨンハ)らが、各自の弁慶の泣きどころを、つま先で蹴り合い、各自のプライドをツッ張り合い、ああ言えばこう言う式の応酬が、しつこいほどに続けられ、観ている者にとってみれば、あまり気分がよろしくない、メンツのぶつかり合いだけが描かれていました。いくらドラマの基本は葛藤だと言っても、興味のある人はいいのだけれど、そうでもない場合は、なかなかに辛い、徹底ぶりです。ところが脚本家の筆は止まらない感じで、こうなんだ、こういうことが現実にあるんだと言わんばかりの熱の入りようでした。書きたい話を思うぞんぶんに書いたといった感じです。それはたぶん、舞台裏を換言すれば、メンツのぶつかり合いなのだと言いたいから、だと思いますけど。ずっと後になってセリフでも出てきますが、この業界は、メンツと金だと言っていました。

各自の弁慶の泣きどころについては、こうなっています。

有名女優オ・スンア
→ 容姿は美しいけれど大根役者。CMタレント扱い。
→ 信頼できる人がいない。孤独。
人気脚本家ソ・ヨンウン
→ 視聴率はとれるけど内容はいまひとつ。
→ バツイチ子持ちで家庭を守れなかった負い目アリ。
新人監督イ・ギョンミン
→ 理想論か正論か!? でも実績に乏しい新人監督。
→ 実兄の借金を肩代わりして破産寸前。

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そしてメンツのぶつかり合いですが、
「私の意見だから正しいに決まっている」、言い分の根拠はこれだけです。
根拠が理屈じゃないから何か1つのことを共同で採決しようとしても、理屈じゃないので空中分解します。相手の意見じゃなくて、相手の人生観と向き合うはめになります。いまここで交わされている言葉や態度そのものではなく、出会ってすぐに、人生観などという途方もない真っ暗闇のなかに突入して行かなければ手繰れない、いっしょに仕事ができない状態となっていました。
というわけで決裂しました、で終わらせるわけにはいかないので、周囲の人々が彼らの間を取り持ちます。局長であったり、制作会社の社長であったり。
この業界はメンツと金だ。その反対側から、じんわりと構築しているのが、この周囲の人々の協力です。たった1人ではドラマは作れない。映らない空間で汗を流している人々の協力なしには。メンツと金と、周囲の人々の協力と。この2本立てでドラマは構築されていました。周囲の人々のなかには下っ端仕事に駆けずりまわるスタッフも含まれています。

良いことばかりではない周囲の人々の協力です。思惑に転じれば、メンツと金が勝り、迷惑な協力ともなります。
大手事務所社長チン・サンウ(イ・ヒョンチョル)は共同制作というかたちをとって、キャスティングやOSTの版権などを主張するだけでなく、所属タレントの出番をもっと増やして欲しいなどと言ってきます。主張が通らなけれ、途中降板も。脚本家のヨンウンは、頭がどうにかなりそうだと言っていました。必要のない出番を増やせばドラマはおかしなことになるし、そもそも、このキャスティングには納得がいっていない。お金のちからで無理強いされた土俵のなかで闘っているのだから。この辺の描き方、事務所が金と交換に所属タレントをフロントに立てて、出資した資金を回収しようかという貪欲なさまが、まるでどこかの国のそれみたい?
『オンエアー』では監督も脚本家もできるだけ金の論理に振り回されないように、プライドを賭けて抵抗していますが、負けて言いなりになればドラマの質は当然下がってくるだろうし、お遊戯会の遊戯を視聴者は見るはめになるわけです。現場の人は大変ですね。私みたいに勝手なことを記事に書いているほうがラクでいいです。1から作り上げる現場の苦労を考えれば、どんな評論も、フ抜けた幸福です。

他に、友情出演が華やかでした。
チョン・ドヨン、イ・ソジン、キム・ジョンウン、シン・ドンウク、ユン・セア、キム・ソンミン、イ・ヒョリ、カン・ヘジョン、オム・ジウォン、キム・ジェドン、などなど(さん付け省略しました)。サプライズでひょいと出てくるので、「おッ」と思いました。

水商売とはよく言ったもので、何かの国家資格のように確実なものはないです。他者の評価などという、あやふやな審判に身を委ね、浮世の浮き草のごとくに。
あとでスンアが所属する弱小事務所の社長、チャン・ギジュン(イ・ボムス)が、そこに1本の強い線を引いています。彼はどんなときでも真心をつくします。信頼のない、救いようのない業界となってしまうから。だけど彼はこうも言っています。私のところでは、スターになれないと。

プライドがツッ張るのは負けまいとするからでしょう。競争が熾烈な業界ほどプライドがツッ張るのでしょう。おまけにお金の論理で無理難題がつねにフッかけられるというわけです。あの性接待などもそうです。表立って自殺などしないだけで、韓国にかぎった話ではないと思いますが。それでもドラマを作りたいか、スターになりたいか、という人だけが生き残り、ドラマを作ります。すべてハッピーエンドで終えた『オンエアー』は慰めのようにも見えます。いやそうであって欲しいな、と私も思いました。

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