スポンサード リンク

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサード リンク

『太宰治 坂口安吾の世界 反逆のエチカ』(1)

太宰治・坂口安吾の世界―反逆のエチカ


無頼派が好きなんだなぁ、としたり顔。無頼派は好きでも嫌いでもないです太宰も安吾も好きですけど。
気難しい言いまわしに酔っているわけではなく、無頼派イコール破滅的となり、破滅的でありさえすれば魅力を感じる時代遅れな変わった人だと焼ゴテあてられンのがアレ。そんなことひとことも言っていない。

というふうな前置きが必要になるほど世は文学とはなんの関係もなくまわっている。健康的な世の中でなにより。厭味じゃなくて、ほんとうに。わかっているとか、わかっていないとか、それは文学の虫が言うことで、むしろ、わからないほうが幸福の証であったりする。必要のあるところに必要な現象が起こる、なんて気取らずに、言いたいのは、文学が必要な人にだけ文学がわかればいいンであって、そうでない人々を指して「あいつ、わかってないな」と、たとえば裏で私に同意を求めるメールを寄こしたりする、その鼻持ちならない文学の虫気取りのほうこそが「わかっていない」と言いたい。これはタイヘンな大問題を含んでいて、すると根っこから文学を誤解していると自ら白状していることになりはしないか。もちろん私は黙っていたが。だって、そのメールの主こそ文学など必要ないのだろうから、言う必要がないだろう。

ちょうどこの本のなかで、高橋源一郎さんが『威張るな!』という題で、1992年『朝日新聞』の文芸時評に載せた文章が出ている。まさに、まさに。この通り。

ものを書く人はそれだけで不正義である――作家太宰治のモラルはこのことにつきている。ものを書く。恋愛小説を書く。難解な詩を書く。だれそれの作品について壮大な論を書く。政治的社会的主張を書く。記事を書く。エッセイを書く。そして、文芸時評を書く。どれもみな、その内実はいっしょである。見よう見まねで、ものを読みものを書くことにたずさわるようになって数十年、ちんぴらのごとき作家のはしくれであるぼくがいやでも気づかざるをえなかったのはそのことだけである。ものを書くということは、きれいごとをいうということである。あったかもしれないしなかったかもしれないようなことを、あったと強弁することである。自分はこんなにいいやつである、もの知りであると喧伝することである。いや、もっと正確にいうなら、自分は正しい、自分だけが正しいと主張することである。「私は間違っている」と書くことさえ、そう書く自分の「正義」を主張するっことによって、きれいごとなのである。ものを書く人はそのことから決して逃れられぬのだ。(p90~)



このあと、高橋さんは太宰の小説『親友交歓』に出てきた「威張るな!」という意味を語ったあと、ものを書く人と書かぬ人との関係にいたり、「敵だけが親友になれる」というふうな流れで〆ているのだけれど、口あたりのよい、せせらぎのような爽やかな印象で終わっているけれど、その前段の話こそが私はとても重要だと思っていて、これはなにも無頼派だとかなんだとかは関係なくて、この自覚があるかないかで文学の人かどうかがわかってしまうような気がするよ。

くり返すけど、わからないから、なんだ、って話です。しかも、これだけ「知のようなもの」に溺れてしまえば、もうどうでもいいような感じもするけれど、一応、古めかしく、好き嫌いで書けば、鼻持ちならないのは、あまり好きじゃない。じぶんの作品やその世界、その思想など、わかってもらえなくて、作者が「わかってない」と言うのとは違う。それは別問題。別の根っこから出た言葉だけれど、わからなくたっていいじゃないの必要でないなら、と、作者でもないのに突き放せない自惚れこそ、自惚れ屋は掘り下げるべきではないか。でないと思春期の子どもと変わらない、世間はバカ、自分は賢いって、うんと理屈をこねたあと、そこに落ち込むのに決まっている。

なんだかこの本から離れて行くようだけど、
太宰と安吾について書かれた文章とか、座談会とかを集録したもので、とくに決まった方向に持って行こうという意図は感じられないので、こっちも気分次第になってしまうけれど。

この本、おもしろいよ。安吾さん、阿部定とも対談してるね。気長に、おもしろいところとか、抜き出せたらいいなぁ。

太宰治・坂口安吾の世界―反逆のエチカ
スポンサード リンク

Pagination

Comment

Post Your Comment

コメント登録フォーム
公開設定

Utility

links

amazon

文学 韓国ドラマ 文学・評論 文庫新書 絵本・児童書 音楽 エンタメヘルス・ビューティー パソコン・周辺機器 ペット用品 洋書

rakuten

楽天市場 楽天ブックスTOP
楽天写真館 楽天トラベル
ホテル・旅館ランキング(全国)
楽天銀行  楽天カード
 

card

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。