スポンサード リンク

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサード リンク

『力道山』 ソル・ギョング

力道山


力道山
強い者はいつも寂しいものだ
人生は勝負だ

各種証言本など探せば幾つか出てくると思う、格闘技を知らない私でさえも力道山の名前は知っているから。
過去へとさかのぼり、映画として再現することの難しさを思えば、こんなにやりにくい映画もないだろう。「事実と違う」と必ず出てくる。かといって事実をそのままに拾っても、おそらく映画は破綻するだろうし、それでもまだ「事実と違う」と言う人が出てくる。相手は力道山だ。何重にも面倒くさい。よく映画として作ったものだと思う。しかも、この映画は日韓共同映画となっている。ウラもオモテも面倒くさい。興行成績だけを望むのであれば、このネタは避けると思われる。面倒くさいのは百も承知、それでも映画として撮りたい、そういう情熱が、ビシビシと伝わってきた。
(あらすじ)1944年、第二次大戦下の東京。"朝鮮人"という理由で先輩力士の執拗ないじめに苦しむ力道山は、ある日、一人の芸子・綾と運命の出会いを果たす。やがて、彼女の後見人で相撲界にも影響力を持つ実力者・菅野武雄から綾をもらい受け、2人は晴れて夫婦となる。相撲でも着実に結果を残し、大関確定と思われた力道山だったが、朝鮮人であることが大きな障害として立ちはだかる。力道山はそんな相撲界に見切りをつけ、国籍や人種に囚われることなく、自分の力を試せる場として西洋のスポーツ"プロレス"に活路を見出すのだ。(2006年/韓国・日本/公式サイト


Wikipedia を見ると、本当の力道山がどういう感じだったのか、だいたいのところは分かる。検索すると、みなさん書かれているし。
それからすると、この映画はずいぶんと美しく描いてしまったかな、という気もしないでもないが、武勇伝はともかくとして、孤独に耐えて戦後日本を元気づけてくれる人となるまでの、彼の不屈の精神を縦軸に、朝鮮人として差別を受け、国に帰れない人としての哀しみを横軸にして描いた、どちらかというと彼の孤独を全編に貫いた、抒情的な映画となっている。
あんなこともしたし、こんなこともした。ほんとはそれほど美しいものではない。
だけど、この映画が中心に据えた彼の孤独は本当だろう。膨らませ、フィクションで描いた、その根元に本当の孤独を置いた。こういう映画の作り方もアリだと思う。

力道山役のソル・ギョングさんは、役作りのために短期間で20キロくらい体重を増やし、プロレスのシーンもスタントを使わずに自身が演じられたそうで、熱演の一言。ファンの方には申し訳ないけれど、それほど男前だとは思えないのだが(すみません!)、途中で、いい男に見えてきた。無骨で荒っぽい力道山の、その内に秘めた柔らかい感受性が孤独を噛みしめている。にじみ出てくる演技。思わず、抱きしめたい、と思ってしまった。ほとんど日本語のセリフでこなし、朝鮮人として複雑な感情を抱く韓国語を、要所、要所に効果的に使い、彼の気持ちの流れが、とてもよく表現されていた。朝鮮人でも日本人でもない、じぶんは世界人だと言い放ちながら、なにもしてくれなかった朝鮮を蔑みながら、でもじぶんは朝鮮人なのだという所に引き戻されて行く。彼が彼として戻っていく場所に、ちゃんと韓国語が待っていてくれている。彼がどこまで行こうとも、彼の言葉は、変わらずに、そこに在るのだ。

それはちょうど、この映画に出てくる妻の綾(中谷美紀さん)が、同じ役割を果たしている。
彼がどこへ行こうとも、綾はいつも同じ場所で待っていますと、家に入らないと言ったシーンで綾が語っていた。中谷美紀さんの日本語が、美しく、優しい。日本語は、もともとこういう言語なのだが、差別となれば醜い言語となるのだろう…。
じっさいの力道山の妻は、まぁいろいろとあるのだろうが、綾を据えた意味を考えたい。綾でなければ表現できなかったものがある。朝鮮人として差別を受けた力道山にも帰る家はあるのだと、韓国人の脚本家は控えめに、けれども力強く表現していた。

もう1つ。内容とは関係のないところで。
相撲界の大スポンサー、菅野武雄役を演じられた藤竜也さんが、やっぱり凄く良かった。
日本にも凄い俳優さんがいっぱい居るのだ。今ではポッと出の若手ダイコン役者ばかりが、事務所先行で配されてしまい、私など日本の映画、ドラマは見たくても見られない状態となっているが(汗)、いやいや日本にも凄い俳優さんが、いっぱい、いるゾ。
この映画は出演者のほぼ全員が、魅せる実力があって、それぞれに噛み合った演技で良かったと思う。本物のレスラーも出ているし、オススメの1本です!

関連商品
風のファイター 完全版
クライング・フィスト 泣拳 デラックス・コレクターズ・エディション
公共の敵
春が来れば デラックス・コレクターズ・エディション
力道山 (Blu-ray Disc)
スポンサード リンク

Pagination

Comment

Post Your Comment

コメント登録フォーム
公開設定

Utility

links

amazon

文学 韓国ドラマ 文学・評論 文庫新書 絵本・児童書 音楽 エンタメヘルス・ビューティー パソコン・周辺機器 ペット用品 洋書

rakuten

楽天市場 楽天ブックスTOP
楽天写真館 楽天トラベル
ホテル・旅館ランキング(全国)
楽天銀行  楽天カード
 

card

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。