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東北新幹線全線開業に思う(3)

地域再<br />生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか? (ちくま新書)


井上ひさしが『吉里吉里人』を書いたのは、1973年かな。
「東北地方の一寒村が日本政府に愛想を尽かし、突如「吉里吉里国」を名乗り独立を宣言する。この作品が評判になった後、日本各地で地方自治体が独立国を名乗ることが流行(ミニ独立国ブーム)。ただし、全て観光目的のお遊びである。(wiki) 」
お遊びでなく、独立する気概でやろうよ、と言いたいのだ。
抜本的な改革? 土建屋さんが儲かる仕組みのことか。
参考:地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか?

身近な例として八戸駅を経験してもいるし、開業で沸くのはほんの数年足らず、新青森駅も終着駅ではなくなる日が決まっているので、今のうちに全国へ向け「、」を打ちたいのだろう。新聞紙上では馴染みの言葉が事あるごとに書き加えられている。県内全域への波及効果を、継続して誘客できる仕組みを、各地域連携し構築をと。どの方向で、どうするつもりなのか、具体的な数値目標がないゆえに、どのようにでも言い逃れできそうだ。「攻めのPRした。やることはやった」ただ動けばよいというものでも・・・。

「見栄え」「外観」にばかり気をとられ、商店街のブランド(特徴/特異性)化を考えなかった・・・再開発された商店街には、なぜこうした横型デパート形式が増えてしまうのでしょうか。その理由は2つ考えられます。一つは、開発を応援する行政の補助金給付条項に羅列されている、最低実施項目に要因があり、あと一つは商店主の意向を重視し消費者の意向は聞いていないところにあります。・・・
・・・どの地方都市へ行っても同じような風景になりました。・・・
大都会を真似た都市づくりが地方経済の発展と考えるのは少し違うのではないでしょうか。
ダメな商店街を活性化する8つのポイント(p94~p97)



「地方」「観光」「町おこし」「シャッター商店街」に関する書籍を手当たりしだいに読んでみて、じつに多くの論者が存在し、データが取られ、研究がなされているのかが分かる。各市町村の有志らは違うのだろうけれど、巨額の資金が動く大きなプロジェクトほど活用されておらず、これまたワンパターンの言動ばかり見せられる。汗水ながして稼いだ金であればとてもこのような使い方はできないと思う。しかも感覚が高度成長期、「もっと青森にお金があればなぁ」、などと言っているに違いない。

ただ、これらの書籍にも限界があって、平面でしか捉えていないので、具体策は重なる異なるバラつきがあるけれど(この部分は大いに勉強になるかと)、大筋では皆同じことを言っている。再生・活性化の手順はこうなっている↓。

(1)現状把握 (2)さまざまな角度から分析する (3)その地域ならではのオンリーワンを見つけ出す 
(4)利害なしで協力し合い育てる (5)PRする

地ブランド 日本を救う地域ブランド論


「らしさ」「オンリーワン」がポイント。前段階の現状分析はすべてここに到達するためのもの。区別できてこその認識だから、あたりまえと言えば当たり前だけれども。
再生・活性化までの時間を軸にとれば「らしさ」「オンリーワン」が起点となる。起点は大前提、疑い入れず、その先へとすぐに意識が向けられて(時間が動いて)しまう。平面で追いかけるため、全国各地で似たようなパターンが繰り返される。なにごとも平面でなく立体であるから、線上の背景(軸の後ろ)こそ重要であったりするのだ。

結果的に「らしさ」「オンリーワン」、正しいと思う。
背景付きの立体で捉えることは、それ以上に重要だと思う。
背景とはもちろん過去から来たものだが、これだけでは誤解をまねくので、まず松岡さんの記事から。

グローバルスタンダードというひとつの大きな価値観や、一極的なグレートストーリーにもとづいたシナリオで決めようとしすぎている。(p15)

日本にとっていったい「伝統と革新とは何なのか」・・・「保守と前衛」とは何か・・・能や歌舞伎が伝統で、ロックやヒップホップが前衛ですか。無形文化財が伝統で、IT技術が革新的なんですか。どうも、そのように見るのではまったく足りないのではないかと思います。いや、そういう見方はひょっとするとまちがいではないかと思います。(p297)過去記事



青森にとっていったい「伝統と革新とは何なのか」・・・

青森には素晴らしい自然と美味しい食材があると言う。これを積極的にPRするだけで観光客が来てくれるものなのかどうなのか、ましてリピーターになるほどに。では上からスパイスかけて古いものを新しく(or新しいものを古く)化粧し直せばよいのか。過去と現在は行き来している。そのものが持っている内容を、新たに内側から引き出してやることではないか。

具体例を。

津軽鉄道ストーブ列車。もはや乗り物ではなくなっている。イベント会場か何か別のものに変化して(列車という平面軸からはみ出して)いる。ところがやはり列車なのだ。津軽を走る列車。これを内側から引き出すとどうなるか。どのように変化させてもよいわけで、動物駅長を置いてもいいし、アートなペイントで派手に車両を塗り替えてもいいし、予算が許すかぎり、なにをやってもいいわけだ。だが肝心要は「津軽を走る列車」だろう。昔から津軽を走る列車だった。それはどういうことだろう。どう表現すれば観光客に伝わるのだろう。できれば肌身に感じて理解してもらいたい。「あ~、なるほど、津軽を走る列車だね」と。過去と現在が行き来するかたちで、この肝心要の内側から新たに引き出してやること。津軽鉄道ストーブ列車は一見して乗り物ではなくなっているけれど、「津軽を走る列車」として、列車の役割を果たしている。

加賀屋は日本最大級の老舗旅館。今年最新の、第36回「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」でも総合1位を獲得している。それが去年の末、台湾にオープンして、TVニュースでも広く伝えられた。国内の低価格競争に同意できないとのことだが、台湾とは古くからご縁があり、台湾人観光客の受け入れにも力を入れていて、この15年間で13万人を迎えているとはいえ(参照)、旅館はロケーションと二人三脚だと、フツーは考えるだろう。旅館に到着するまでの道のり、部屋の窓から見える四季折々の風景、漂う風のにおい、交わされる地元の言葉など、そういったこと、ひっくるめて、加賀屋ではないか。そのものが持っている内容を新たに内側から引き出すと、台湾でもよい、という、ことらしい。加賀屋の肝心要はロケーションとの二人三脚ではなく、もてなしの心であるらしい。なら確かに、日本でなくてもよいかもしれない。低価格競争に巻き込まれてしまうと、この肝心要ごと奪われてしまう。いっそ海外へ出て、思う存分、肝心要を発揮したいのだろう。

津軽鉄道ストーブ列車も、加賀屋も、行き来した過去と現在の内側から歩を進めている。一見して逸脱した行為に見えたとしても、内側に忠実に応えようとし、これが歩を進める指針となっているようだ。
この指針こそ理念だろう。移り変わりのスピードは年々速まるばかりで、未来永劫変わらぬものはないし、変わるべきだけど、どのような時代を迎えても、どっちへ行くのか、見失うことはないと思う。
おまけに、ここだけの話、じつは内側とは、空(くう)なのだ。
だから理論値では、引き出せる可能性は、無限大となる。

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Comment

daza

こんにちは。
頭の中が整理整頓できない人間は言うのはおこがましいのですが、kairou さんの考察の鋭さに感心しています。
>過去と現在は行き来している。そのものが持っている内容を、新たに内側から引き出してやることではないか。
・・・は膝を打つところであります。

大予算を投入して打ち上げ花火のようなPR、奇を衒ったイベント・・・それを年中見せようとするハコモノと街づくり。それがぜんぶムダとは思ってませんが、でも、多くは後が苦しくなるのが目に見えています。
のちのちに引き継がれていくものはもっと地道で根が深い。(そして経営継続可能な範囲の予算)


今年の正月に倉敷の知人、辻さんとお話してきたのですが、この人が続けていることは「町の本質を生かして次の世代に伝えたい」という活動。予算に群がる利害関係者のためではなくて、経済活動を通して「この町の暮らし」を次世代に引き継ぐという生きた教育です。これはカタチや理屈だけ真似してどの町でもできることじゃない。本質に気付いた住人たちの暮らしから生まれる活動です。
帰ってから僕もいろいろと模索中のこの頃です。

倉敷水先案内人http://www.compass152.com/nucleus/index.php?itemid=102
辻さんのお店http://www.miyakeshouten.com/machiya/index.html
  • URL
  • 2011/02/26 18:37

kairou

す、すみません、遅くなりました。
落ち着いたら、ゆっくり、お返事、書きます!
  • URL
  • 2011/03/18 07:52

daza

吉里吉里国の村も被災してしまったんですね。
  • URL
  • 2011/04/13 18:07

kairou

架空ですけど別の場所みたいですヨ。けど名前は拝借したようです。ニュースで「吉里吉里~」と出て、私も「ん」と思いました。

新幹線が止まっているようです。
再開してもいつまた余震でグラリとくるか分からないので、観光客の皆さんも行く気にはならないかも、と思ったりしています。

観光客頼み、それだけだと、厳しいですよね。今更ながら新幹線開業に踊ってしまう目先の言動に、キケンを感じました。リスク回避のためにもそれ以外の儲け口を探さないといけないと思います。企業誘致、私はあまり、賛成しないです。やはり地元から自力で立ち上がっていく。そして異業種がうまく連携し合って掛け算にできれば、なお良いなと思います。大きな方向性としてはそう考えています。

これまで地方は弱い立場でした。原発を受け入れなければならないほどに。福島が大変なことになっているけれど、青森だって、他人事じゃないですよね、とても怖いです。
でもこれからは違うと思います。
弱い立場で有り続けた年数以上の時間をかけても、「違う」ってことを証明できたらいいなぁ、って思います。
  • URL
  • 2011/04/16 16:54
  • Edit

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