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『イラクサ』 アリス・マンロー

イラクサ


イラクサ
さて、『恋占い』も映画になるということだから、簡単にでも書いておかないと永遠に感想文が書けなくなってしまう。そのままの内容で次々と映画化されてしまったらどうしよう。アリス・マンローは日本じゃ無名だけれど映画にしたいほど凄いのよ?(汗)

紹介文によると、チェーホフの正統な後継者ということになっている。短篇小説の女王とも。1931年生まれだからおばあちゃんだ(経歴/過去記事)。ご本人曰く、「以前は、歳をとったらもうあまり書く気もしなくなるだろうと思っていました。自分というものが変わってくるだろうとね。ところがそうはなりませんでした。体は老いても、頭は変わらないんです」。

イラクサに収められた短篇小説は9本で、目次はこちら↓
目次
1.恋占い(Hateship,Friendship,Courtship,Loveship,Marriage)
2.浮橋(Floating Bridge)
3.家に伝わる家具(Family Furnishings)
4.なぐさめ(Comfort)
5.イラクサ(Nettles)
6.ポスト・アンド・ビーム(Post and Beam)
7.記憶に残っていること(What is Remembered)
8.クィーニー(Queenie)
9.クマが山を越えてきた(The Bear Came Over the Mountain)


あらすじと本文抜き出しを簡単に…。

恋占い

[概]家政婦のジョアンナはラブレターのような手紙をもらう。屋敷の娘サビサの父から。彼とは一度しか顔を合わせたことがなく、現在、遠くで単身暮らしている。平凡な家政婦の人生に思わぬ転機が。

[抜]結婚のことなんか口にして馬鹿だったとジョアンナは思った。彼はまだ言い出していないのだし、それに肝に銘じておかねばならないのに。ほかのことはいろいろ語られていた――というか書かれていた――この上ない愛情が、思慕の情が記されていたので、実際の結婚のことは見過ごされてしまったという感じだった。朝起きることについて話して朝食のことは抜かしてしまう、みたいに。もちろん朝食はとるつもりなのに(21頁)。

浮橋

[概]病身の妻と、少年院で教師をしている夫。ふたりの間に複雑な家庭環境で育った少女が入ってくる。夫と少女がいない間に、別の少年に誘われて浮橋へ行く。

[抜]みんなまちがっている。ジニーは臆病でもなければ従順でもなく自然でもないし純粋でもない。死んでしまえば、もちろん、こういうまちがった意見だけが残るのだ(101頁)。

家に伝わる家具

[概]アルフリーダは新聞に記事を書く都会的な女性だった。彼女は父の妹で、かつては憧れの人。大学生になり、彼女のアパートへ行ってみると…。

[抜]「人生はあまりに短いのよ」とアルフリーダは言った。「あのさ、新聞社でね、ときどきいるんだ、そんなのぜんぶやってきたのが。英語専攻科、哲学専攻科。こっちは、どう扱っていいのかわからなくてさ。そういう連中は、五セントの価値があることも書けやしない。その話、したよね?」(145頁)

なぐさめ

[概]ニナが出かけている間に、ルイスは死んでいた。彼は高校で科学を教えていた。宗教に関わることで父兄とモメて教師を辞めてしまった後だった。

[抜]べつの見方を聞くことは私たちに害になると思いますか? 無神論を教えられるとしたら、それはある種の宗教を教えられるようなもんじゃないんですか?(180頁)

イラクサ

[概]子どもの頃の思い出に、さっと現れては消えて行った人と、大人になってから再会する。複雑に入り組んだ大人の生活。そこには少女時代のような恋愛はなかった。

[抜]あの大きなピンクがかった紫の花をつけた植物は、イラクサではなかった。それがヒヨドリバナと呼ばれることを、わたしは今では知っている(251頁)。

ポスト・アンド・ビーム

[概]ライオネルは詩を書いてローラに手渡している。彼は夫の教え子で優秀な生徒だったが、神経衰弱に陥り、いまは聖公会の出版局で働いている。ローラは詩のことを夫に話していない。ある日、田舎からポリーがやって来ることになり…、そのこともローラは話していなかった。

[抜]あたしはさ、出て行くのがいいことだったときに出て行くべきだったのよ。そうしていればよかったのよね。でも、それっていつだったの?(269頁)

記憶に残っていること

[概]夫の友人の葬儀に出席したあと、夫妻は別行動に。妻は大切なミュリエルおばちゃまを見舞うために老人ホームへ。そこまで送ってくれたのは葬儀場に居合わせた見知らぬ医師だった。

[引]「自殺だな」とピエールは言った。そうではなく事故だとメリエルは言った(299頁)。

クィーニー

[概]クィーニーは、父の再婚相手の連れ子。義妹には眩しい存在だった。ところが隣の家の中年男と駆け落ちしてしまい、家族とは絶縁状態に。何年かして義妹はクィーニーと再会する。

[引]そりゃ、もちろん、あの人が“まちがってた”のよ。男ってね、“まともじゃないの”、クリシー。あんたにも結婚したらわかるけどね(358頁)。

クマが山を越えてきた

[概](過去記事

[引]もちろん、たしかにフィオーナをだました――だがそれなら、他の夫たちの妻への仕打ちに倣って彼女と別れたほうがよかったというのか?(388頁)


あらすじ、だけでは、なにも伝えられない。横幅が広くて、この記事を書くのに、じつは、2日ほどかかっている、笑。
ストーリーが短篇の命だとすれば、描写は極力避ける、とおそらく世に出まわる創作・文章読本系は語っていると思う。その書き方を見事に裏切って、人物やその背景など厚みを持たせてたっぷりと書き込んでいるから(ところが肝心なことは何も書かれていない)、凝縮された誰かの人生が(しかしその1コマに過ぎない)描かれている。これを分解して説明するのは結構大変だ。時間の経過、その扱いが、縦横無尽に走っているし、それぞれの登場人物の心情、思惑が、幾重にも重なり引き合っているので、スパッと切ってみせるには、そうとう腕に自信のある人でないと…。

単純に、ストーリーだけのことを言えば、アリス・マンローの特徴として、なんでもない日常の裂け目から意外な方向へと展開していく、とは言えるかもしれない。だけどそれは「ちょっと驚きました」くらいのことで、むしろ、ストーリーなんか邪魔になるほどに、人物と四つに組んで、けれども冷静、確実に進んでいくところが技であり、味わうべきところだと思う。

イラクサ (新潮クレスト・ブックス) 小説のように (新潮クレスト・ブックス) 林檎の木の下で (新潮クレスト・ブックス) 木星の月 美しい子ども (新潮クレスト・ブックス)

アリス・マンローの記事
アリス・マンローの2冊(My前サイト)
『アウェイ・フロム・ハー君を想う』 原作アリス・マンロー




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