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『美しい夜、残酷な朝』 イ・ビョンホン 長谷川京子

美しい夜、残酷な朝 オリジナル完全版 [DVD]

愛と美と幻想の極上トリロジー
「プロジェクトリーダー、香港の映画監督ピーター・チャン。彼は山本正樹監督の『怪談』(65)に着想を得て企画にとりかかったという。ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)原作「黒髪」「雪女」「耳無芳一の話」「茶碗の中」の四篇からなる作品で三国連太郎や岸恵子らが出演、65年のカンヌ国際映画祭審査員特別賞を受賞した作品。(参考)」

アジアン・ホラーのオムニバス。 第一弾 『THREE/臨死』(2003)に続き、第二弾が『美しい夜、残酷な朝』(2005)だった。元も子もなく言ってしまえばホラーは大嫌いで、好きな役者さんが出ているから今回は我慢して見たけれども次はないだろう。ピーター・チャン監督が言う山本正樹監督の『怪談』は見ていないが、小泉八雲を映像にした段階で小泉八雲ではなくなっている、原作と映画は別物である。そして『美しい夜、残酷な朝』は、さらに小泉八雲からは離れてしまった。なにせ今回のコンセプトは「各国で最も動員力を誇る監督」だそうだから、ホラーでありさえすれば何でもよいのだろう、韓国、台湾、日本と各国の持ち味を存分に出して怖がらせてくれという意向なのだろう。まさに各国のカラーが突出し、彩られたカタチだ。映画がここまでやってしまうと、小説は何をやればいいのだろう。正直、「まいった」、という感想。まずはコピペで内容を↓

韓国篇「cut」
監督 : パク・チャヌク 『オールド・ボーイ』『JSA』
キャスト : イ・ビョンホン『甘い人生』『誰にでも秘密がある』/カン・へジョン『オールド・ボーイ』
人気映画監督リュ・ジホがある日、帰宅すると、見知らぬ男が妻を人質にして彼の帰宅を待っていた。男に究極の選択を迫られていく中で、ジホは隠していた素顔をさらけだしていく。

日本篇「box」
監督 : 三池崇史『妖怪大戦争』『着信アリ』
キャスト : 長谷川京子「Mの悲劇」「僕だけのマドンナ」/渡部篤郎「ケイゾク」『狗神』
小説家・鏡子は<箱>に閉じ込められる夢を何度も見る。実は彼女は幼い頃はサーカスで育ち、手品師の父の舞台に双生児の姉妹と出演しており、ある雪の夜、<箱>を巡って悲劇的な事件が起きたのだ。

香港篇「dumplings」
監督 : フルーツ・チャン『メイド・イン・ホンコン』
キャスト : ミリアム・ヨン『風雲!格闘王』/バイ・リン『TAXi3』『スカイ・キャプテン・ワールド・オブ・トゥモロー』/レオン・カーファイ『愛人/ラマン』『楽園の瑕』
今は資産家の妻となっている元女優のリーは、衰えていく美貌を回復して夫と愛人から取り戻す方法を求めて、怪しい女性が作る特製餃子にたどり着く。だがその餃子の材料は…。



韓国パク・チャヌク監督の『オールド・ボーイ』に関しては、過去に腐した記事を書いた。人物造形の不確かさ、これはおかしいという感想だったが、そう思っているのは私だけで(笑)、世界的に評価を得ている。ハリウッドでもリメイクしたはず。『JSA』もそうで、世界的な評価をものにしているが、私には何かどこかがおかしいように感じられる。一言で言うと企画が先行し、後で人物が肉付けされているような感じ。つまり企画に人物が引きずられている。べつに先でも後でもいいのだが、結果として人物が企画よりも上でないと作品としてはどうなのかという疑問…。そしてやはり今回も、企画が前面に出ている。派手に流血するのは企画が先だから、とやはり思う。どんどん人間ではなくなっていく。ところが、パク・チャヌク監督の上手いところは、これを私たちの日常の外側でやるのではなく、内側でやるところ。リアリティを引き寄せながら残忍な場面を配置する。今回の「cut」もそうだった。50分弱の短い映画なので上手くシェイプさせてテンポよくエンターテインメント的なホラーに仕上げていった。メトロノームを使ったところなど「上手い!」と思わず唸ってしまったぐらいだ。すべての要素を無駄にせず、もっとも効果的に使っている。イ・ビョンホンさんはノーギャラで出演したそうだが、いやこの映画は面白かった。私は3本中いちばん面白く見た。企画が得意な監督さんは、短い映画の方が合っていると思う。なお、終わり方が分からないという感想があったけど、小説美しい夜、残酷な朝 (角川文庫)にハッキリ書かれているそうだ。自作自演ではなく、狂ってしまったというオチみたい。

日本代表は三池崇史監督。ああ、日本だ、という感想。画面全体が日本。静寂の美。もちろん意識して作られたものだ。いまの日本にこのような静寂は存在するだろうか? しかし映像だけ見れば小泉八雲の世界にもっとも近いのは三池崇史監督だと思う。「雅」という言葉を思い出す。内容に関しては3本中いちばん分かりやすい話で、もう何べんも焼き直されているトラウマをベースに敷いた、やや謎かけの、日本独特の怪談を見せている。怖いというより美しい映画だった。長谷川京子さん×渡部篤郎さんは、なんだか昼ドラのようで、せっかくの日本の静寂を壊しているかのようにも見える。纏う空気が現代的で、過去から現在へと深めた時間の重みが足りないような…。それよりも双子の子どもが良かったと思う。双子の子どもだけで映画を撮った場合、どうなったのか。回想シーンはナシで。ぶち抜きの現在進行形で。

そして最後は香港のフルーツ・チャン監督。結論から先に言ってしまえば、3本中もっとも気色悪い。男性はどう見るか。女性は気色悪い度がぐんぐんと上がっていく。開いた股の奥に物語がある。股の奥と、餃子と。この2つの言葉を並べただけで気色悪い。股の奥と餃子だ。血縁者に冒された中学生の股だ。路線バスに揺られて帰る道、その股から血が流れて死んで行く。一方、その血の恵みで若返る金持ちの女もいる。この女が主人公。最後は自分の股の奥の血を啜り、命を喰らい、若返りをはかる。餃子のような混ぜものなど要らない。生喰いである。怖ろしい。香港版は別ヴァージョンがあるらしく、物語が違うようだ。別ヴァージョンまで作るくらいだから、この監督の気色悪さはハンパじゃない。そっちはどうなの、と見る気はもうない。しかしよく考えると「きちんと」作られている映画だ。産道をイメージした暗喩はやり過ぎだとしても、事の始まりはどこにあるのか、そこは古臭いテーマを持ってきている。金持ちの女は夫の財産を愛しているのではなく、夫を愛している。中学生の少女は血縁者の性欲に穢されて死んで行くのだ。もう新しい話など出て来ないとしても、見せ方によってこれだけ人の心へと入って行けるのである。気色悪いが、そこは大いに評価したいと思う。

3本ともに共通して言えることは、かつてハリウッドが作ったようなオモチャのホラーではない、ということ。それだけにタチが悪い。日常の延長線上にホラーを持ってきている。敵は外側ではなく私たちの内側にある。退治すべきは私たちの内側だ。まったく困ったことになった。怖いと同時に私たちは、私たちと対面することになるのだから。

comment
namomo|
こんにちは! kairouさんの感想を拝見して、久しぶりで『Cut』を観返してみました。
私はホラーや流血ものが苦手です。だから劇場でこの映画を見た友人から
「あなたは見ない方が良いわよ。どうしてもって言うなら『Cut』だけにしたら」
と言われたので、DVDを買ってもこの作品しか見ておりません。意気地がないのです。
 
 私、パク・チャヌクは苦手です。『JSA』も復讐三部作(復讐者に憐れみを・オールドボーイ・親切なクムジャさん)も観たけど、感覚が合わないのでしょうか?
でも復讐三部作は不条理劇なのだ、そう考えるようになったら、少し抵抗が無くなりました。?!
 
 そもそもこの監督は人間を掘り下げて描こうとは思っていないのでは?
いつも非合理的な、筋道の立たない状況に人間を放り込んでみる。それに映像世界の魔法をかけて仕上げてしまうような感じがします。その魔法が上手いから傑作に見えてしまう。実際傑作と言われて評価も高い。でも彼の人物に対する視線は冷たいですよね。
 
 ただこの『Cut』は面白いと思いました。
監督の家は今撮影している映画のセットと同じ…、しかも大きなスタジオに作られたセットである。
才能と地位も名誉も富も美しい妻も手に入れた監督の生活は虚像と偽善にすぎない。
そんな薄っぺらさを象徴しているようにも見えます。
 Kairouさんも仰っていますが、小道具もセットも効果的です。メトロノーム、接着剤、監督の自由を奪うゴム、ミキサーに落ちた指輪。すべてがパク・チャヌクの仕掛けたトリックに思えました。
面白いけれど監督と妻の運命には不毛であった犯人との会話やダンス。
これによって時間はどんどん費やされて、やがて状況はダイナミックに展開してしまい結末に至る。その流れも良かったです。
 
「俺が出会った金持ちはろくでもない非常識な奴ばかり。詰まり人間としては最低ってことだ。ところが監督は立派な御方ときてる。随分不公平な世の中じゃないか。金持ちでハンサムで高学歴、天才監督で奥さんは美人。その上性格までいいときたら、俺みたいな奴は生きていけない。」
そんなめちゃくちゃな動機で進入してきた男に、追いつめられていく監督の心理もすんなり表現されていていると思いました。
最後に主人公(監督)は狂ってしまい、妻と少年を間違えてしまう。人間の皮を被ったモンスターのようになってしまう。
その流れがパク・チャヌクの作品の中では分かりやすい方だと思います。これも一種の不条理劇でしょうか。
 
 このオムニバス映画のアメリカでの題名は、たしか『スリーモンスター』だったと思います。
この映画にイ・ビョンホンを起用して(お見事!)、しかもノーギャラでここまでやらせてしまう…。(なんて奴!!)
パク・チャヌクこそモンスターです。

kairou|
namomo さん、こんばんは♪ (ちと小細工しときました 笑)

頂戴したコメントを読んで笑ってしまいました。「なんて奴!!」 ほんと、なんて奴でしょう、笑。
ビョンホンさんの仕事の忙しさから察するに、スケジュールを空けるだけでお金貰っていいですよ。それをノーギャラなんて…、しかも、あんなことまで(お尻)、ゴムに繋ぐなんてドリフじゃないんですから!

一応、韓国、日本、香港と、競い合いみたいな映画となっていて、韓国代表でしたね。これが3本のなかでいちばん面白く出来ているという。この記事を書くまえに検索でザッと見ましたが、韓国フリークでなくても、だいたい皆さん同じ意見でした。日本篇が弱かったという意見も多かったですね、私もそう思います。パク・チャヌク監督が、ここまでやってしまうと。香港篇は気色悪いし。インパクトが強いです。

あっ、久しぶりに『美しい夜、残酷な朝』を観てもらったのですね。すみません、ありがとうございます! 
namomo さんも血みどろ系は苦手で…、私も(笑)。内容が、内容なだけに、申し訳ないです。
そうそう、復讐モノが多いですよね、この監督さんは。不条理劇かぁ、うーん、というよりホラーだと思う(笑)。

>そもそもこの監督は人間を掘り下げて描こうとは思っていないのでは?

そうもしれない…、なんか目から鱗です。いい所まで行くのだけれど回れ右して戻ってきてしまうから。先、先へと行きたがるストーリーに引きずられてしまい、掘り下げが物足りなく感じてしまうのですが、それは私が望んでいる所へと映画が行ってくれないから、そう思うのかも。

>いつも非合理的な、筋道の立たない状況に人間を放り込んでみる。それに映像世界の魔法をかけて仕上げてしまうような感じがします。その魔法が上手いから傑作に見えてしまう。実際傑作と言われて評価も高い。でも彼の人物に対する視線は冷たいですよね。

うんうん(頷く)。このやり方、映画を撮る態度は正しいと思います。自然主義的な態度ですね。善いも悪いもない、この状況であれば、人はどう反応し動いて行くのか。それを実験して見せているという態度だと思います。この態度は正しいです。ヘタにヒューマニズムにかぶれているよりも、よい映画になるのじゃないでしょうか。でも視線は冷たいですよね。Cool です。

そして、あの舞台となる監督の家です。
豪邸のはずが、映画のセットになってる! ビョンホンさんが走りまわって裏手にまわると丸見えでした。namomo さんが書かれている「監督の生活は虚像と偽善にすぎない」。なるほど、そういう表現だったのかと思いました。床も市松模様で、なにか落ち着かない家でしたね~。

小道具もまた上手で。先生が見たら二重丸くれると思います。メトロノームは、タッタッタッタ、というリズムを観る人に与えて、映画と一体化させる効果があって、それを適所に使っています。後半の、ラストスパートを掛ける場所です。あの犯人が、「さぁ!」という身振りをしていましたね。私もメトロノームのリズムに合わせて一緒になって体が動いていました。「やられた!」ですよ。この映画はダメでした、とはもう言えません(笑)。監督の思うツボに入ってしまいました。
ダンスを踊る場面など、少々笑いを誘い込むような所なども計画的でした。笑いと恐怖はワンセットだと思います。より恐怖を感じてもらうために、少々の笑いを入れると思います。

>そんなめちゃくちゃな動機で進入してきた男に…

この動機はスゴいです。「え?」と思いました。じっさいの事件などを見ていると、復讐って個人的な理由で、第三者の感覚では、はかり知れないところは、たしかにあるけれど…。この辺もリアリティーへと繋げていった、ほんとうらしさ、かもしれないし。
最後に狂ってしまう、というのは物語としてみれば、「おいおい」、と思いますが、皮肉でしょうね、きっと。どうやっても奥さんを死なせてしまうという。不条理劇なのでしょう…。

アメリカでは『スリーモンスター』ですか!(初耳)
なんだか英語にすると意味合いがズレて「そのまんま」ですね(笑)。 



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