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芥川賞全集4~第22回『闘牛』井上靖

井上靖「わが一期一会」 (人間の記録)


読めなかった、という感想文はアリですか。
せっかく買ったものだから是非とも読みたかったのに、ハジかれてしまい先に進むことができないのです。
坐り慣れたを通り越して、肢体は痺れ甘辛く煮詰められ、鍋の中、もう立ち上がって出て行くしかないのに、「まだ坐っていろ」と両肩を掴まれて下に押しやられてゆくような、そんなイライラ感が、ふつふつと。
途中で投げ出して後ろにまわり、選評を読みました。
芥川賞全集 第4巻 (4) より抜き出します。

船橋聖一
「闘牛」の方には、取り立てて欠点がない。その代わり、月並みである。(同・414頁)

丹羽文雄
「闘牛」の推薦は、まあ一番無難だ。井上君の実力は「闘牛」に十二分にあらわれている。もう完全に出来上った作家だ。何もいうことはない。「闘牛」にはもっと枚数がほしかった。が、第二作のこれを読んだ時、正直なところ私は何の驚異も覚えなかった。誰かの批評ではないが、まさしくうまい小説のサンプルである。(同・415頁)

宇野浩二
『闘牛』は、なるほど、こんどの数篇の候補作品のなかでは、『うまさ』という点だけみれば、づぬけていた。ただ、私には、出てくる人物たちが、みな、自分の意志ではなく、作者の『かんがえ』どおりに、思考し、行動しているのが、気になった。(同・416頁)

坂口安吾
「闘牛」の作者は人間の見方や掴み方には深みも新しさもないが、俗才で人間を処理してゆく手際は巧妙で、なんといっても、大人である。(同・416頁)

川端康成
つまり、この練達の作者には計算の狂いがない。実におもしろい作品だが、幾度かくりかえして読めるだろうか。詩精神が乾いてはいないか。(同・417頁)

選考会で何か言われたのでしょう、佐藤春夫が庇うみたいにして感情的に褒めていました。瀧井孝作はそれに追従するかたち。石川達三、岸田國士はフツーに肯定的です。

坂口安吾の「大人である」、この一言に尽きます。
私には無理でした。すみません。

後ろの選評を読むと他の候補作についても触れています。
※候補作/「還らざる旅路」那須國男/「あ号作戦前夜」阿川弘之/「天命」眞鍋呉夫/「夏草」前田純敬/「宿定め」島尾敏雄/「ロッダム号の船長」竹之内静雄/「日本の牙」池山廣/「哀楽の果て」村井暁/「挽歌」澤野久雄
ここでは瀧井孝作の説明を、そのまま引きます。

瀧井孝作
夏草は、終戦の年に鹿児島市の空襲された悲惨事が克明に描かれていて――原子爆弾のヒロシマが評判ですが、悲惨な姿はヒロシマに限らず、日本中の殆どの都市は同じ位の悲惨な目にあっているわけで――、夏草は、この空襲で焼け払われた都市の悲惨な姿をあきらかにした、意味のある作品だと思いました。
日本の牙は、日本政府が日露戦争に勝ってから、朝鮮を属国として取扱った、征服者のするどい牙を剔抉した暴露小説で、被征服民族の悲痛が描かれ、これは素材からみても、現在でなければ発表できない作品で、これを読んで、現在の日本の位置と姿も考えられるような、国際的な小説とも云うべきものではないかと思いました。(同・410頁)

第22回芥川賞は、昭和24年に選考されました。
昭和24年とはこんな年だそうです。→ 出来事

わき道に入って、候補作こそ読みたいです。

井上靖「わが一期一会」 (人間の記録)

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